流れの中へ（２）
W、流れの中へ（２）
C 流れから出る（ストリーム・アウト） 
（約９０ＫＢあります。）
川の流れは、カーブ、岩、支流の合流などにの影響よって一定ではありません。速そうな流れでも、部分的に緩やかだったり止まっているところが必ずあります。ここに入って小休止や偵察をすることで、川下りを安全にすることができます。
流れの止まっているところ（岩の下流部）などにカヌーを入れる場合、事前に下るスピードを落し（リバース・ストローク、後ろ漕ぎ）、岩の１ｍくらい横を通るようなコースを取ります。岩の手前でスイープやバウ・ドロウできっかけを作り、バウが岩の終わり近くになったら、クロス・ドロウやさらにバウ・ドロウをします。ここでバウが流れの止まっている所に入っていればスターンが水の抵抗で流され、上流を向いた形で止まることができます。
右漕ぎの私が岩の左側から回り込む場合は・・・・・。
まずコース取りです。岩の約１メートル左にカヌーを流れと平行にしたまま近づけます（ａ）。この１メートルというのは目安と考えて下さい。流れが速いときはもう少し近いほうがやりやすいです。次にバウが岩の横に近づいたらタイミング良く、バウ・ドロウを入れバウが岩の方を向くようなきっかけを作ります（ｂ）。そして岩を過ぎるかどうかという時に、バウ・ドロウ（テレマーク・ターン）を決めるのです（ｃ）。そうするとバウは岩の後ろの流れの止まっているところへ吸い寄せられ、スターンは流れによって下流にもっていかれます。このテクニックによりほとんど漕がずに岩の後ろに静止していることができます。
今度は、岩の右側から回り込む場合です。コース取り（ａ’）は、岩から１メートルくらいですヨ。 ｂ’でスイープ・ストロークを入れてきっかけを作り、ｃ’でクロス・バウ・ドロウを入れます。カヌーの左側のスターンが流れを受けて回ってくれます。
D 下流を向いたまま川を横切る（バック・フェリー） （約１４５ＫＢあります。）
フェリー・グライドというテクニックは、上流を向いた状態で川を横切るテクニックでした。このバック・フェリーは下流を向いて行うので、川下りの途中で止まって左右に動いで偵察したり、コースの入口に移動したりというときに活用します。ストリーム・アウトのできる岩などがないとき、またスペースに余裕がないときは、このテクニックがいかに有難いか分かってもらえると思います。
右へのバックフェリー
右漕ぎの私は、リバース・ストローク（後ろ漕ぎ）をします。そうして流れの中で止まってスターンを右に向け、カヌーの左面で流れを受けるようにすると右に移動できます。
左へのバック・フェリー
リバース・ストロークで流れの中で止まりカヌーのスターンを左へ向けカヌーの右面で流れを受けるようにします。カヌーの向きを変えたり、この向きを保つためには、スターン・ドロウの感じで遠くから水を捕まえてきます。ブレードを水から出さずに漕いだ方が安全です。カヌーの向きをコントロールするには、漕ぎ始めに戻す時の角度を大きくとったり小さくとったりするとできます。
カヌーの向き（流れの方向に対しカヌーを左右に向ける角度）は、流れの強さによって変えなければなりません。流れが強くて流されてしまうような時はこの角度を小さくしましょう。
リバース・ストロークについては、紹介していませんがＪ−ストロークを後向きにすると考えて下さい。パワーフェイスの裏側を使う点に注意して下さい。
川を下りながらリバース・ストロークをしても止まらないような感じがしますが、何度か漕いでいるとスピードの落ちるのがわかります。徐々にスピードを落としていくとその場に止まっているような状態になります。（この時はリバース・ストロークのスピードと川の流れる速さが同じになっているわけです。）この状態でカヌーの向きを左右に向けるのです。だから急にバック・フェリーをしようと思っても、間に合わないので手前からスピードを落とすようにしましょう。
バック・フェリーを練習するには、流れの中で止まっていられるようにリバース・ストロークを練習してから行った方が上達が早いと思います。リバースは、静水でやった方がイメージがつかめます。