タンデムでのパドリング
X タンデムでのパドリング
@ バウマンとスターンマン
カヌーにはシートがたいがい２つ付いています。ソロの時とタンデムの時とでは座る向きが違います。そして誰がバウマン、スターンマンをするかも考えなければなりません。私が私より重い人と組む場合にはバウに、私より軽い人と組む場合にはスターンに座ります。この違いは２人の体重・体力・経験、場合によっては前後の好みなどをもとに考えているのです。バウを軽くした方がカヌーの向きを変えやすいし、瀬で波を受けたとき水が入りにくくなります。反対に向い風の時にはバウがふられ風見鶏のようになってしまいます。
定例ツアーのプランナーがメンバーのペアリングに悩む理由はこんな所にあるのです。また「右漕ぎでないとできない。」といった注文があるとますます難しくなってしまうのです。みんなでレベルアップしバウでもスターンでも、右でも左でも漕げるようになると、大勢のゲストを迎えてもペアリングしやすいのです。
川下りでのコース取りは、主にスターンマンが行います。その方がカヌーの向きが良く分かるし軽い力でコントロールできるのです。しかし、隠れ岩などはバウマンの方が発見しやすいので急なコース変更はバウマンが判断しスターンマンがそれをフォローします。そういう意味から言うと、とっさの判断力を要求されるのはバウマンなのです。長い距離を漕ぐときは、時々漕ぐ側（右／左）を変えますが、このスイッチするタイミングはバウマンがリードするとうまくいきます。
A カヌーへの乗り降り
ケース・バイ・ケースです。一般的にはまずスターンマンがカヌーを持ってバウマンを乗せます。次にバウマンは、カヌーが流されないようにパドルでカヌーを固定しスターンマンを乗せます。降りるときは、カヌーを岸に近づけバウマンがパドルで固定してから、スターンマンが降ります。そしてスターンマンがカヌーを持ってバウマンが降りるのを補助します。出発や到着は、上流を向いた状態です。
B パドリング 
（約２８KBあります。）
先ず自分がバウマンだったとします。この図のようにカヌーと平行にパドルを動かすことは当然のように思います。しかし実際に漕いでいる人を見ると、知らないうちにガンネルに沿って漕いでいる場合が多いのです。カヌーの中心線と平行になるように漕ぐには、右漕ぎの場合、右前方から水をつかむように心掛けることです。そうしないと漕いでいる反対側にどんどん曲がってしまいます。ゆっくり曲がって行くくらいでもスターンマンは常にほうきがけ気味に漕ぐことになり、結果として疲れさせてしまいます。スターンマンは、漕いで推進力を得る動作とカヌーの方向をコントロールする動作の２つがあるのに対して、バウマンは推進力を得る動作がほとんどです。そのため２人が勝手に漕ぐとバウマンのピッチが早くなってしまいます。
そこではじめのうちは２人で声を出し合いお互いのピッチを確かめると良いでしょう。２人のピッチが良く揃っていると、バラバラの時より楽に、また速く進みます・・・・。
漕ぎ進むときには、水の抵抗でカヌーが少し浮き上がります。２人の息が合うとこの浮き上がるタイミングが安定し楽なのです。タイミングを合わせる方法としては、バウマンがゆっくり気味に一定のペースを守るのが良いようです。
スターンマンがペースを合わせるのなら、パドリングのストロークを短くします。つまりバウマンが大きく一漕ぎする間に、短い一ストロークと方向のコントロールをしてしまうのです。忙しければさらに一ストロークを短くして対応するのです。
誰とペアを組んでも効率よくパドリングできるようにペースの合わせ方を覚えておきましょう。
Bパドリング（の補足）
バウマンは、カヌーの中心線と平行にパドルを動かすと書きました。ソロでのパドリング、例えばＪ-ストロークなどができる人だと、バウに座っても同じようにＪーストロークをしてしまうことがあるようです。私の場合、カナディアンストロークに近い動きをしています。漕いできてパドルを前に戻すとき（水中）、抵抗を受けないように早めに水から上げます。この動きの良い点はパドルを水から上げ、漕ぎ始めに戻す時、ブレード面が水平（パワーフェイスが上面）になります。
こうするとブレード面が風の影響を受けないで済みます。風の影響なんてと思うかもしれませんが、強い向い風だと押し戻されるのがはっきり分かりますヨ。
それから、ストロークは大きくゆっくり漕ぐように心がけます。「短いストロークの速いピッチ」よりも効率がよいと思います。
スターンマンには、Ｊーストローク、カナディアンストローク、場合によってはインディアンストロークが適していると思います。ラダーストロークだと、ラダー状態の時「カヌーが向きを変えるまで待つ時間」があるので、バウマンとのタイミングが合わせにくいのです。ラダーストロークで行うのなら、ラダー状態の時にスターン・プライ（スコップですヨ）気味に水を押し出すと良いようです。
パドリングテクニック（タンデム編）へ
